意団体TILA教育研究所(以下、当研究所という)は、教師の技量向上に貢献するために設立いたしました。近年では、団塊世代の大量退職時代を迎え教師の年代構成のアンバランスが課題となっています。ベテラン層と、若年層が多く中間層が少ない年齢構成や年齢は高くとも教師としての経験の浅い人たちが増加しています。そうした中で、校務の多忙や教育ニーズの多様化、保護者対応の難しさなどにより、一人で悩み病気休職等になる教師が少なくありません。
当研究所では、教師の技量を、授業力・児童生徒指導力・学級経営力・個別面接技法などととらえ、教師の技量向上に関する調査・研究・啓発、そして、学校組織を活かした児童生徒指導体制づくりなど学校全体を援助する研究にも力を注いでまいります。主に心理学を基礎とした、学校教育における、授業法・学級経営・特別活動・児童生徒指導・教育相談・学校経営等に関する調査研究を行うとともに、教師の資質向上、学校の援助に資することを目的として活動を行います。そして、当研究所では、研究成果の知見を普及するために、全国各地での講習会の開催、教育相談、書籍の発行等の事業を行ってまいります。
 研究所の名称である「TILA」は、精神科医で心理療法家であり、現代催眠の父と呼ばれたMilton Hyland Erickson, 博士(1901年12月5日 – 1980年3月25日)が用いた技法「ユーティライゼーションUtilization (利用・活用)」をもじったものです。ユーティライゼーションは、問題の解決に活用できるものは何でも活用するという考え方のことで、相談者がもっている、あるいは、相談者の周囲にある全てものをリソース(資源)ととらえ、問題の解決に使えるものは積極的にそれを活用するという考え方です。リソースは、「そこにある」ものであり、「よい・わるい」はありません。問題の解決に役立つかどうかです。
 私たちTILA教育研究所は、教師として子どもの教育に活用できるものは、学問の分野に関係なく積極的に取り入れて活用していくという姿勢を表したものです。