ブリーフミーティングは、佐藤節子氏が行っていた「解決志向のホワイトボード教育相談」(佐藤,2012年)からヒントを得て生まれました。「解決志向のホワイトボード教育相談」は大変斬新な教育相談の手法です。「犯人探しをしない」、「原因に終わらない」、「現実に私たちができることを決める」など、解決志向の考え方で、ホワイトボードを用いたファシリテーションの理論と手法を生かした教育相談です。
TILA教育研究所で行っている研究は、ミルトン・H・エリクソン博士の治療実践を元とするブリーフセラピーに大きな影響を受けています。「解決志向のホワイトボード教育相談」にさらにブリーフセラピーの考え方や技法を取り入れ、再構成することで、汎用型の会議方法へと改変しました。 ブリーフミーティングは汎用型の会議ツールです。教育だけでなくどのような業種・職種でも活用することができます。そしてその特徴は、ブリーフセラピーの考え方を元に、扱っている事例そのものや事例提供者、メンバーに「変化を起こす」ことです。あなたもぜひこの素晴らしい会議方法を使って「変化を起こして」みませんか。
今までの支援会議とここが違う
今までの支援会議 | ブリーフミーティング | |
準備 | 会議までに支援シートに記入 | 必要なし |
時間 | 1時間~2時間以上 抽象的で曖昧になりがち | 30分 |
事例の報告 | 長時間を要する | 困っていることを5分間で |
対応策 | 出てこない/絞り込めない | たくさん出てくる・選べる |
ゴール | 抽象的で曖昧になりがち | 具体的で数値化されている |
途中参加者への対応 | これまでの説明が必要 | ホワイトボードを見ればOK |
会議の記録 | 個々の記録のため必要なしバラバラ | 写真で撮って 同じ記録を共有 |
ブリーフミーティングの3つの工夫
•手順と時間の構造化
•視覚化
•ブリーフセラピーの考え方
ブリーフセラピー3つの考え方
•小さな変化を起こす
•原因にこだわらない
•ユーティライゼーション
ブリーフ・ミーティングのメリット
①時間的負担が少ない。
②目的がぶれない。
③話し合いが見え、参加感が高まる。
④対応について多様なアイデアがでる。
⑤途中から参加してもわかりやすい。
⑥個人の事例だけでなく、学級の事例、保護者対応、学校の課題にも応用できる。
カタリスト(catalyst)
〇ブリーフ・ミーティングの進行役
〇catalyst……触媒、変化を起こす人
〇メンバーの経験・発想・アイデアをうまく活用して、相談者(事例の対象)に変化を起こす。
〇変化を起こす技法を身につけるとよい。
◯初めての方でも一度研修を受けると「カタリスト虎の巻」を見ながらやれば、ミィーティングのカタリストをすることができます。
◯全体でブリーフミーティングを行うことで、学校中が解決志向になっていきます。